心臓カテーテル検査・他血管造影検査 説明と同意書-心筋梗塞・狭心症での入院時-

3回目の入院の説明と同意書

今回は3回目の入院になりますが、例外なく、説明と同意書があり、私はこれに同意し、サインしなければなりません。心筋梗塞や狭心症の治療の経過を確認する検査入院ですが、それでもカテーテルを入れなければならないので大掛かりなのは大掛かりなのですが、時間が30分程度というところが今回の楽なところです。この説明と同意書も毎回異なっているので、興味のある方は読んでいただければと思います。

心臓カテーテル検査・他血管造影検査 説明と同意書

心臓カテーテル検査・他血管造影検査 説明と同意書

カテーテルというプラスティックでできた細長い管を太ももの付け根、手首あるいは肘の動脈から心臓あるいは目的の動脈まで挿入し、造影剤というレントゲンに映る薬剤を心臓のまわりにはりついている冠動脈という血管や心臓の中あるいは目的の動脈へ注入することにより血管の状態や心臓の動きを調べたりする検査です。

1)✓時間;約30分(血管の状態や行う検査により60分以上かかる場合もあります)

2)✓カテーテルを挿入する部位(図1)
①✓太ももの付け根(大腿動脈);
利点は血管が太く、カテーテル自体は大腿動脈から入れるものとして作られているものが多いため手技はしやすい。血管が太いため挿入部の血管損傷のリスクは少ない。欠点は出血した場合に大量の出血になる場合がときにあることと治療後は長時間(約6時間)べッド上で動けなくなることです。
②✓手首(橈骨動脈)
利点は血管が細いため出血のリスクが少なく、検査後は4時間程度の間、手首さえ動かさなければ歩いたりできることです。欠点は血管が細いため検査後に血管が閉塞する可能性があることと血管の蛇行や血管のけいれんによりカテーテルが心臓まで到達できないことが他の挿入部位に比べて多いことです。
③✓肘(上腕動脈)
利点は前腕動脈よりは血管が太く治療後の血管閉塞が少ないこと、大腿動脈より血管が細いため輸血を必要とするような大きな出血になることがほとんどないこと、治療後は肘さえ動かさなければトイレなどに歩くことができることです。欠点は血管の横に神経があるため腫入の際に神経を損傷するリスクがあることです。
④✓静脈(大腿静脈・頸静脈・肘静脈ほか)
治療によっては動脈以外に静脈からカテーテルを挿入することがあります。挿入部位は太ももの付け根、くび、ひじの静脈などです。

3)✓手順
①挿入部位に局所麻酔を行います(意識はある状態です)。
②シースという直径2-3mm前後のプラスティック製の管を血管の中へ挿入します。シースが血管内と体外をつないでいるため検査に必要な道具を出し入れすることができます。
③カテーテルをシースから冠動脈内へ挿入し、目的の検査(次項)を行います。

4)✓検査種類
①✓心臓の周りにはりついている冠動脈という左右2本の血管があります。それぞれの冠動脈にカテーテルを挿入し、造影剤を注入するとレントゲンで血管が黒く浮き出てきます。血管に狭いところがあると図のようにみることができます。
②✓左室造影(図3);
左心室という部屋が心臓のポンプ機能を担っています。この部屋にカテーテルを挿入し、造影剤を注入することで心臓の動きを把握することができます。検査中に造影剤をたくさん注入するため体が熱くなる感じがあります。
③✓右心カテーテル検査;
大きな静脈からスワンガンツカテーテルという多機能カテーテルを肺動脈や右心室などへ挿入することで心臓の機能や状態を把握することができます。
④✓薬物負荷試験;
けいれんによる狭心症(冠攣縮性狭心症)を疑われた場合に行います。冠動脈へ挿入したカテーテルからアセチルコリンという薬を注入することで冠動脈のけいれんを誘発する検査です。冠攣縮性狭心症ではない場合にはアセチルコリンにより冠動脈は拡張し、冠攣縮性狭心症の場合は収縮(けいれん)します。
⑤✓心筋生検;
心臓の動きの悪い原因が不明であり、原因を追求することが必要な場合に行われます。寝室へ組織採取用のカテーテルを挿入し、心筋を採取します。
⑥✓冠動脈以外の血管造影
(胸部大動脈、腹部大動脈、脳動脈、腎動脈、下肢動脈など)
カテーテルを対象の動脈に挿入し造影剤を注入しそれぞれの血管の狭いところや拡張(動脈瘤)の程度を確認します。

4)✓起こりえる合併症、危険性
①カテーテルを挿入する部位の合併症
Ⅰ.出血;検査後はシースを血管から抜去します。血管には直径2-3mm前後の穴が開いた状態になるため圧迫による止血を行いますが、止血できずに出血する場合があります。輸血をする場合もあります(0.2%程度)。
Ⅱ.仮性動脈瘤;シース抜去後の出血が持続すると穿刺部に動脈瘤が形成されることがあります。放置すると破裂するため圧迫による再止血が必要になります。外科的手術が必要になることもあります。頻度は0.02%程度です。
Ⅲ.動静脈瘻:穿刺部で動脈と静脈に交通が形成される場合があります。外科的手術が必要になることもあります。頻度は0.1%程度です。
Ⅳ.感染・皮膚潰瘍など;穿刺部位が細菌感染により化膜したり圧迫後に皮膚に水泡や潰瘍が形成される場合があります。0.06~0.62%程度。

②薬物によるアレルギー
検査で使用する造影剤などの薬剤によりアレルギーが起こることがあります。症状としては蕁麻疹、発熱、嘔吐などがありますが、重症例ではショック(血圧の異常な低下)を来す場合があり心肺蘇生処置が必要になることもあります。ショックを来すようなアレルギーの頻度は0.1%程度です。

③賢機能障害
検査で使用する造影剤により腎機能が悪化する場合があります。高度になれば透析を行う場合もあります。元々腎機能障害を有する場合は前日からの点満を行うことでリスクを軽減させています。また、カテーテルを挿入する際に動脈壁のコレステロールのかたまりがはがれて腎臓まで流れて行くことにより腎機能が障害されることもあります。

④不整脈
心臓にカテーテルを挿入した際に脈の乱れがみられることがあります。ときに心拍数が200以上になるような命にかかわる不整脈が出現することもあり電気ショックを行う場合があります。薬物負荷試験などでは狭心症を誘発する検査の性質上、電気ショックを要する頻脈や一時的なペースメーカーを挿入する必要のある徐脈が出現する頻度は多くなります。

⑤塞栓症
カテーテル内にできた血のかたまり、空気、血管壁のコレステロールのかたまりが血管に流れることにより、到達した先の臓器に閉塞症状が出現することがあります。たとえば脳血管を閉塞した場合は脳梗塞、心臓の冠動脈を閉塞した場合は心筋梗塞、下肢の動脈を閉塞した場合は下肢の血行不良を起こすことがあります。脳梗塞を起こす頻度はおおよそ0.1%程度です。

⑥心臓・血管の損傷
カテーテルの心臓・血管へ挿入することにより心臓・血管を損傷する場合があります(0.5%程度)。それにより心筋梗塞(0.05~0.17%程度)や大量の出血を来し生命にかかわる場合もあるため緊急手術が必要になる場合もあります。

⑦神経障害
とくに肘の動脈から検査を行う場合に起こることがあります。肘の動脈には神経が併走しています。穿刺する場合に神経が正確にどこにあるかを把握することはできませんので雰刺しているときにしびれがあった場合には検査を施行する医師に訴えていただくことが重要です。

⑧死亡
重度の心血管損傷、不整脈、脳梗塞などが原因でおこり得る。検査では0.08%程度、治療では1%程度(重篤な状態で治療を受ける方を含みます)。

⑪その他予期しえない合併症

上記合併症については治療をする上でできる限りそのリスクを減らすよう日々努めております。また、治療を受けないことによるリスク(狭心症や心筋梗塞が疑われ放置すれば生命に関わる可能性があります)が上記合併症を上回る場合に当該検査をすすめております。

●●病院:循環器科_______説明医師:_______

私は心筋梗塞あるいはその疑いに対して心臓カテーテル検査、その他の血管造影検査の必要性、その結果生じる利益と不利益(危険性)についての説明を受けました。また、上記説明文をよく読み疑問点については医師からの説明を受け納得しました。
上記を了承の上で上記検査、治療を受けることを承諾するとともに、緊急時には担当医師の適切な判断にゆだねることを承諾します。

●●病院院長殿
2016年2月6日
患者氏名 _______ 印 ※署名があれば押印は不要
家族等氏名_______ 印 (患者との続柄: )
※患者の署名があれば家族等の署名は不要
※患者が署名不能な場合や未成年者の場合には家族の署名が必要

実際に貰った説明と同意書

*病院や個人を特定できる情報は消させて頂いております。

説明と同意書_201602_01

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